競馬との出会い

 私が競馬を始めたのは93年の秋から。
それ以前にもPOGメンバーのひとりから誘われて競馬場へ行ったり
馬券を買ったりした事はありますが、好きになったのは93年です。
きっかけは会社での人事異動。異動した先では競馬好きが揃っていて
ちょうど秋のGⅠ戦線がスタートする時で、休憩時間はその話でもちきり。
新しい職場で仲良くやっていく為に、付き合い程度で馬券を買う事になりました。
秋緒戦の天皇賞・秋からでした。
スポーツ新聞の馬柱を見ても何の事か全く解らず、選び様が無い・・・。
そこで「ハンドパワー」を思い出した。
昔、「笑っていいとも」でやっていた「手かざしによる消去法」というヤツです。
マッチの空箱を10個程用意して、ひとつだけ当たりの紙を入れます。
その当たりを当てるのですが、「当たり」を探しては駄目。
手をマッチの箱にかざしながら「当たり」じゃないヤツを探します。
で、ひとつづつハズレを省いて行きます。残ったひとつが当たりというやり方です。
これが番組内でも恐いぐらいに当たるんです。
自分でもやってみたけど10回に半分ぐらいは当たるんです。
10分の1の確立が2分の1の確立で当たるんですから・・・!
嘘の様な話ですが皆もやってみて下さい。ビックリするハズです。

 話を戻しますが、この「ハンドパワー」を新聞の馬柱の馬名欄の下に載っていた
馬の顔写真を見ながら行った。一頭づつマジックで顔を塗り潰して消去した。
もちろん邪念が入るから記者の印欄は隠しながら。
で、残ったのはヤマニンゼファーセキテイリュウオー
見事、約6千円馬券ゲットである。
当時は3連単どころか馬単も無かったから、
馬連の6千円って、なかなか凄い事である。
でも皆はビギナーズラックと見ていたんじゃないかな?
で、翌週は菊花賞。同じ方法でハンドパワーで挑んだ。
選んだ馬はビワハヤヒデステージチャンプ
この馬券もゲット!今度は約4千円馬券だ。
2週連続当てたという事で会社でも話題になった。
「凄いぞ!ハンドパワーで2週連続GⅠ当てたそうだ!」と・・・。
この頃に私の競馬に対する想いに変化が起きていた。「競馬ってオモシロイな・・」と。
ついついスポーツ新聞の競馬の記事を読んでしまう。
次のエリザベス女王杯についての知識がどんどん蓄えられていた。
週末には出走馬の名前を全部把握してしまうぐらいに。
そうなると「ハンドパワー」は全く使い物にならなくなる。
私の頭の中は邪念だらけ。2冠馬ベガを軸にしなければ・・と。
会社の連中も期待して私の予想を参考に聞きに来るが、
皆の期待を裏切り結果は無残な結果に。
これ以来、私の競馬に対するハンドパワーは使えないし、使っていない。

 この年の秋GⅠは私にとって競馬を始めるに相応しいぐらいの超ラインナップ。
勝ち馬を並べると、ヤマニンゼファービワハヤヒデホクトベガシンコウラブリイレガシーワールド
ヒシアマゾンナリタブライアンサクラバクシンオートウカイテイオー。名馬揃いである。
やはり印象に残っているのはトウカイテイオー有馬記念
田原成貴の男泣きに「ざまぁみろ〜岡部〜っ!」の野次。
岡部の持ち馬がワンツーだったのだが、岡部が選んだのが
2着になったハヤヒデ。捨てられたテイオーのファンがゴールの瞬間に吐き捨てた野次だ。
自分も同じ気持ちだったから、中京競馬場でのモニター観戦とはいえ、
ライブ競馬での一体感を感じた瞬間だった。競馬はやめられない・・・!

 有馬記念ではテイオーの勝利をたたえた私だったが
後に負けたビワハヤヒデが好きな馬の筆頭に上がる存在になる。
男の子が生まれたらマジで「速秀(ハヤヒデ)」と名付けるつもりだったが、
うちには女の子しか産まれなかった。 残念?幸い??
さすがに女の子だからといって「ベガ」とか「アマゾン」とは付けれなかった。
ハヤヒデはデカい顔でコーナーを周る時、いつも外を見ながらトボけた様に舌を出して走っていた。
それでいて勝つのだから大したモノだ。
だが、白くデカい顔ながら、目だけはキュッと怖い目をしていた印象がある。
 この年から競馬を始めたから幸いにも翌年のナリタブライアンの3冠を
全てライブで見る機会にもめぐり合えた。幸運であった。
そしてこうしてPOGを始める事に。新しい出会いもあり、別れもあった。
この年に競馬を始めていなければ、PIRA’S POGは存在しなかっただろう・・・。